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冬はマラソン、夏は登山、年に2回は海外旅行が理想です

東京デザイナーズ銭湯一覧(今井健太郎さん設計)

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今井健太郎さん設計のおしゃれ銭湯がずらり

 

東京デザイナーズ銭湯一覧

デザイナーズ銭湯の設計士として有名な今井健太郎さんが手掛けた銭湯を一覧でまとめてみました。
訪問する際に使えるように、定休日と営業時間を載せたいところですが、急な変更などをキャッチアップできないため、公式サイトでご確認ください。
改修部の面積は今井健太郎さんの著書「銭湯空間」を参照させていただきました。
実際に訪れたことのある銭湯は、メモを残していますので訪問の際の参考にどうぞ。

名称 最寄駅 所在地 竣工 改築部面積 公式サイト
中野江古田湯 江古田 東京都中野区江古田3-5-12 2021年9月 - https://twitter.com/nakanoegotayu
吉野湯 平井 東京都江戸川区平井4-23-2 2020年9月 202m² https://www.1010.or.jp/map/item/item-cnt-278
松の湯 八王子 東京都八王子市小門町20 2019年9月 299m² http://www.hachinan.com
改良湯 渋谷 東京都渋谷区東2-19-9 2018年12月 280m² https://kairyou-yu.com
はすぬま温泉 蓮沼 東京都大田区西蒲田6-16-11 2017年12月 221m² https://www.1010.or.jp/map/item/item-cnt-448
クアパレス藤 千川 東京都板橋区南町39-10 2017年11月 294m² http://1010itabashi.or.jp/detail/332/
栄湯 落合南長崎 東京都新宿区西落合2-6-2 2017年10月 254m² https://twitter.com/skey_tgd1010
大蔵湯 町田 東京都町田市木曽町522 2016年12月 215m² http://ookurayu.com
万年湯 新大久保 東京都新宿区大久保1-15-17 2016年8月 211m² https://mannenyu.jp
イーストランド 篠崎 東京都江戸川区西篠崎2-23-1 2015年11月 386m² http://eastland.jp
御谷湯 錦糸町 東京都墨田区石原3-30-8 2015年5月 900m² http://mikokuyu.com
光明泉 中目黒 東京都目黒区上目黒1-6-1 2014年3月 254m² http://kohmeisen.com
第一金乗湯 上板橋 東京都板橋区若木1-19-6 2013年2月 210m² http://1010itabashi.or.jp/detail/1/
ふくの湯 本駒込 東京都文京区千駄木5-41-5 2011年12月 280m² http://www.sentou-bunkyo.com/pg65.html
文化浴泉 中目黒 東京都目黒区東山3-6-8 2011年3月 290m² https://www.bunkayokusen1010.com
千代の湯 学芸大学 東京都目黒区鷹番2-20-3 2011年3月 280m² http://www.tiyonoyu.com/tiyonoyu.html
戸越銀座温泉 戸越 東京都品川区戸越2-1-6 2007年4月 1,006m² http://togoshiginzaonsen.com
大平湯 五反野 東京都足立区青井6-21-3 2001年8月 298m² http://www.adachi1010.tokyo/member/taiheiyu/

 

個人的おすすめ3軒

おすすめというかお気に入りの3軒。やや新しめの銭湯に寄ってしまったが、最近のものほどコンセプトと具現化された(リニューアル後の状態)が高いレベルで一致しているように思う。おすすめできると思う理由は以下のポイント。

1.コンセプト自体が好き、または共感できる。

2.そのコンセプトを維持するための運営的な工夫が素晴らしい。

3.施設の中で好きなポイントがある

  • 改良湯:渋谷という街に見合う新しい銭湯のイメージを確立していると思う。モノトーンでまとめられたデザイン、BGMや香りなど銭湯全体の空間デザインへの統一感、完成度が高い。
  • クアパレス藤:広めの敷地面積を生かして、各所に過ごしやすい空間を設けている。外気浴スペース、視線を遮るように作られた炭酸泉の湯船、そして熱帯魚が泳ぐ大きな水槽を設けた湯上がりスペース。
  • 千代の湯:鮮やかな青いタイルとダウンライトをうまく使った空間演出が効いている。そしてなんといっても炭酸泉の湯船。仕切られた静かな空間の中でぬるめのお湯に浸かっていると思考が止まり身体の神経も緩みきってものすごく開放された状態になります。

 

 

五色湯(椎名町)

2022年10月訪問。

椎名町駅から徒歩3分。目白からも歩ける距離です。
マンションの1階部分に入る五色湯。黒いシックな柱と、大きく立派な暖簾、そして夕暮れ時に灯る明かりが迎えてくれる。

靴を脱いで中に入ると目立つ大きなディスプレイ。
グッズや関連書籍、そして模型(ご主人の趣味かな?)がずらり並んで目を引く。
広々とした脱衣所に入ると、古い銭湯広告を生かしたパネルが内装の雰囲気と相まってクラシックな見た目を醸している。

日が落ちて暗くなってきた浴室は、今井健太郎さん設計のおなじみのダウンライトと”五色”のステンドグラスの存在感。そして奥壁にはどでかい滝の絵が。雰囲気としては蒲田の「はすぬま温泉」に似ていると感じた。
この滝の絵の手前がちょうど冷水の湯船になっているため、まさに滝に打たれているような気分に。今井健太郎さんの銭湯でいつも注目しているタイルはやや控えめな使われ方。
ステンドグラスと滝の絵を引き立てるためか、サイズ小さめなタイルが端正に並ぶ。

湯船はどれも十分な広さで、熱湯がしっかり熱いのも良き。(部活帰りっぽいラケットバックを持った高校生5人組がひぃひぃ言いながら入っているのも微笑ましかった)。

線路を挟んだ逆側には妙法湯があり、ちょっと歩けば同じ今井健太郎さん設計の栄湯も。
近所に住んでいる人が羨ましい限り。

 

天神湯(中野)

2023年1月訪問

古き良き昔ながらの宮造りの建物をリノベ。
脱衣所は時代を感じさせる太い柱や梁の深い茶色を活かして、新しい扉や木枠なども同じ色味で統一されている。

浴室は凸型の天井が白くてうっとり。タイル使いは派手さなく白と薄いブルーで淡い印象だが、四角の形と並びの強弱で表情を作っている。
お湯は温度違いで3色。熱湯もそこそこ、水風呂もぬるめと優しい設定。

流れるクラシック音楽と、縁側の足元の坪庭にに流れる水音も優しい。常連さんらしき人も、静かに入って静かに出ていく。中野の住宅街の静かな優しい銭湯でした。

えごた湯(新江古田)

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2021年9月訪問。

9月5日にオープン初日に訪問。

住宅地の中、看板を頼りにやや入りくんだ細道を進むと新装開店を祝うお花がお出迎え。

そして浮世絵の海と空のような美しい青のグラデーションの真新しい暖簾が目に飛び込んでくる。屋号をあたらしくした「えごた湯」さん。

コンパクトにまとまった受付を通り、ピカピカの脱衣所を抜けて浴室へ。

浴室でいつも注目しているのはタイル。淡いグリーンとクリーム色の組み合わせ。それぞれ単色ではなくマーブル調でよく見ると様々な表情。

浴室の雰囲気を決定づけているのは、今井さん十八番の間接照明。見た目にもキリリと引き締まる水風呂のブルーは水の中から。そして、熱湯とぬる湯の湯面のゆらめきを映し出す明るい光の演出。

やや普通の銭湯より天井が低いような印象を受けたけれど、間接照明の効果と、浴槽の外枠やサウナ入り口の仕切りに見られる曲線のシェイプが洞窟のような雰囲気を演出している。個人的にはトルコのカッパドキアの洞窟ホテルを思い出した。

自宅付近に今井健太郎さん設計の新銭湯ができて初日に訪問できた幸運!良い思い出になりました。

 

吉野湯(平井)

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2021年6月訪問。

2020年にオープンしたばかりの真新しい銭湯。最近、井戸の組み上げポンプの工事で1ヶ月ほどお休みしていたようですが、営業再開の知らせを見て早速行ってきました。

受付を済ませて中に入ると、広々とした脱衣所には爽やかなブルーのロッカーが。
浴室も白一面の明るい空間に、淡いブルーのラインがぐるりと一周。新しい銭湯ということもあるけれど、この真っ白の壁というのがとても強いインパクト。そしてキーカラーになっている青がこの銭湯のイメージカラーなのかな。天井の高い昔ながら銭湯スタイルでありながら、この色使いがとても新鮮。

正面には男湯女湯にまたがる雄大な富士山のペンキ絵。
湯船は温度違いで4つ。炭酸泉が目に入ると痛いほどぴりりとして気持ち良い。
途中で日が落ちてきて照明オン。ボール型のライトが可愛らしい。白×ブルーの壁面と相まって柔らかな空間。

風呂上がりは縁側でフルーツオレで夕涼み。蚊取り線香の優しい匂いが漂う中で。極上の湯上がり体験。

 

松の湯(八王子)

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2021年11月訪問

入り口、脱衣所、お風呂と全体に木材がふんだんに使われていて、柔らかな印象を与えてくれる。

浴室に入ると天井が高くて視線の抜けが良い。そして装飾がなく、とてもスッキリしていて落ち着く空間。ペンキ絵の代わりに細かいタイルで描かれた富士山と松の木のモザイク画。


浴室内の壁は今井健太郎さん十八番のタイル使いは意図的に廃していて、シンプルに仕上げている。極力要素を少なく、シンプルなデザインに徹しているように思える。
湯船は熱湯、水風呂、炭酸泉に、加えて露天風呂。露天の湯船を広めに作っているところがいいね。

要素は少ないながらも、細部に目を向けてみると露天風呂の照明具なんかは凝った作り和風のランプシェードのものが取り付けられていて見ていて楽しい。

ちょっと意味がわからないと思うけれど脱衣所に新幹線が走っていて浴室からもよく見えたり、当然でしょと言わんばかりに鏡がピカピカに磨かれていたりとおもてなしの心がいろんなところに見え隠れしていて、今井さん設計のハードと店主の銭湯愛が高いレベルで合致した素晴らしい銭湯でした。

 

改良湯(渋谷)

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2021年1月訪問。

今まで訪れた今井健太郎さん設計の銭湯の中で、尖ったコンセプトかつそれを高いレベルで実現している銭湯でした。まず流れてる音楽が全てR&Bというのがポイント高い。

中は暗め&ダウンライトで雰囲気重視。タイル使いは色はグレーのものだけを使っているけど、一枚一枚表情が違ったマーブル模様。

ファシリティへのこだわりもすごい。ゴミ箱やドライヤーなど置いてあるものが全てマットブラック。このコンセプトでお客を迎えるという心意気がビシビシと伝わってくる。

普段、自宅近くの銭湯に行く場合は、いわゆる「整う」的な心身のリラックスを目的に訪れることが多いが、この改良湯は違う。体のリフレッシュは当然ながら、完全にコントロールされたドープな空間に自分の身を置くことで心の引き締め効果を得られる。そんな稀有な銭湯空間だった。

  

はすぬま温泉(蓮沼)

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2020年9月訪問。

  • 立地:蒲田駅から東急池上線で一駅の蓮沼駅。駅からは徒歩5分ほど。
  • 外見:柱を格子状に組み合わせた白壁が印象に残る。
  • 脱衣場:脱衣所に秋の虫の鳴き声がうっすら流れていて風流。頭上には、木の曲線を活かした木製シャンデリア。全体的に木目を活かしたインテリアで落ち着きを感じる。
  • 浴室:お風呂はそれほど広くないが天井が高くて開放感がある。 ペンキ絵が大きくて見事。中国の山がモチーフかな?山の中にびっしり生える木とその中に流れる滝が余白の少なく描かれているため超インパクトある。しかも男湯の端から女湯の端までぶちぬき。壁から壁までまるでIMAXシアターのよう。ちなみに絵の中の滝は湯船の実物の壺に繋がっていて正に滝壺w
  • まとめ:番台さんの他にスタッフの方がもうひとり接客に当たっていて、ありがとうございました。おやすみなさい。と、ひとりひとり見送りしていたのが印象的だった。

 

クアパレス藤(千川)

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2020年9月訪問。

有楽町線・副都心線の千川駅から10分ほどの住宅街にあるクアパレス藤。今井健太郎さん建築の銭湯の中でも自宅から一番近く、多い時は週に一度ほどの頻度で自転車で通っている。

余談ですが、今井健太郎さんは過去に板橋区に住んでいたらしく、このクアパレス藤や第一金城湯に通っていたとか。どちらも自宅から近く意外とご近所だったかも。

クアパレス藤の特徴は渋谷の改良湯と同様に、コンセプトに基づいて内装やファシリティの統一が高いレベルでなされていること。
休憩スペースのテーブルや椅子、ゴミ箱やカウンターや作り付けの棚など、どれも世界観に忠実に作られてそれが維持されている。この「維持されている」がかなり大切なことだと思っていて、良い箱を作ってもその後の運営がコンセプトに基づいてしっかりと維持できていないと途端に残念なものになってしまう。どの銭湯にも言えることだけど運営する店主の方の意識が無いとキープコンセプトはとてもむずかしいことだと思う。

浴室は大きな窓ガラスと明るいブルーのタイルが印象的な空間で、とても開放感がある。炭酸泉の湯船が広めで視界を覆うようなレイアウトになっているためリラックスにちょうどよい。また、空は望めないが露天風呂と外気浴ができるスペースもあり充実した設備が堪能できる。

 

栄湯(落合南長崎)

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2021年7月2度目の訪問。

マンションの一階部分、道路に面して横長にお店を構える栄湯。入口から脱衣所、浴室まで白い壁が続いている。

脱衣所のロッカーも綺麗な白一色。開店間際ということもあって人も少なく清潔感もあり気持ちの良い空間。

浴室に入ると真っ先に目につくのがブルーとオレンジのライティング。栄湯近くの哲学堂にまつわる4人の哲学者をイメージしたカラーリングらしい。そしてタイルも特徴的。入って正面、右、左と全て白いタイルだが、大きさと形状が異なるものを使って違った表情を見せている。この白いタイルとライティングの組み合わせが栄湯のデザインの特徴だね。

週替りでサウナと半露天が入れ替わるらしく、この日は男湯が半露天。外は望めないけれど、気持ち良い個室造りになっていて暗めの照明なのも相まって静かに落ち着く空間となっている。

外に出ると周囲が暗くなり、明かりが灯った外観もまた良いですね。

落合は高低差のある街で歩いていて面白い。なんだか海外で知らない街に来た時いのような雰囲気を味わわせてくれてとてもドキドキした。夜の町歩きにまた来てみたい。

 

大蔵湯(町田)

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2021年5月訪問。
登山の帰りに寄り道。町田駅からバスで15分ほどの場所。

ゴザが敷いてある脱衣所から浴室に入ると、とても高い天井が目に飛び込んできた。第一印象はとてもスッキリとした端正な印象。

浴室は、温度違いの3つの浴槽のみのため至ってシンプルな構成。そしてカランなどの各要素の配置がシンプルにかつ直線的なことと、天井と男湯と女湯の仕切りの板張りが生む直線の羅列が、端正さな造りを際立たせている(個人的には熊本城の本丸御殿で見た床の間・ちがい棚・書院などで構成された和室の機能美を思い出しました)。
吐水口からお湯が流れ出る音が静かな浴室内に響いてそれがまた端正な雰囲気作りに一役買っている。

見えないからわからないが、女湯と全て左右対称になってるのでは?はやり端正な銭湯と呼ばずにはいられない。
その他のディティールとしては、タイルで作られた巨大なモザイク富士山。インパクトは大きくないんだけど、一度気づいてしまうとその緻密さに目を奪われてしまう。

純和風、古風な銭湯ど真ん中。いわゆるデザイナーズ銭湯的なおしゃれさは無いけれど、体験したことのない新しさという意味で斬新な銭湯でした。

 

万年湯(新大久保)

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2022年3月何度目かの再訪。

万年湯は今井健太郎さん建築設計とは知らない頃から利用していたが、久しぶりに訪問。

新大久保駅から徒歩5分ほど。コリアンタウンを訪れる若者でごった返すちょっとした異国感ある町並みから少し路地を入ると、温泉地のようなどっしりとした和風の門構えが迎えてくれる。外装、受付、脱衣所と焦げ茶色の木材の表情で統一されたつくり。靴箱やロッカーなどの設えもこの木材の雰囲気に合わせた漢数字のデザインが利いている。

浴室はやや低めの天井と湯船を囲むようにL字に配されたカラン。そして奥まった位置にある水風呂が、衝立の奥にあり仕切りられた空間で無心になることができる。
入り口正面のメインのお風呂のタイルが、あまり見かけない木の葉型で立体感が美しい。

新宿からも近く便利な場所なのでこれからも訪れることがありそう。

 

イーストランド(篠崎)

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2021年4月訪問。

都営新宿線の篠崎駅から徒歩10分ほど。静かな住宅街の中。オープン直前に訪れると10名ほどが建物の前で並んで待っていた。

全体的に広々とした造りで、脱衣所も浴室も露天も広々としている。中でもメインの湯船がとても大きく、大人数でもまったく狭さを感じることがない。

露天も広々としていて、縁側と繋がっていて竹を眺めながら外気浴ができる椅子もあって寛ぎの空間となっている。

細かい造形に目を向けると、凹凸ある菱形タイルの表情が空間を和らげてくれていたり、湯船のへりに木材が使われていて、お湯成分でいい感じにすべすべしていて、良い感触だったりと要所で気遣いを感じられた。

自分の中で好印象だったのは、水風呂が小部屋になっていて静かでとっても整う点。千代の湯の炭酸泉の湯船も同様だったが、このスタイルは他の銭湯でも取り入れられると良いなと思う。仕切られた空間の中にひとつだけ備え付けられたダウンライトに照らされた水のゆらめきが壁の青いタイルに反射されていて、炭酸泉の湯船から見るとちょっとしたインスタレーションのようでぼんやり眺めてしまった。

 

御谷湯(錦糸町)

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2021年5月訪問。

隅田川方面から歩いて向かうとビルの合間からスカイツリーが何度も顔を覗かせる。そんなエリアになんとも銭湯らしからぬ佇まいで建っているのが御谷湯。

入り口で支払いを済ませて中に入ると、エレベータで4階へ。ビル型銭湯ならではの導線。

浴室は凝った模様のタイルが印象的。黒い湯船に映ると水面との境目が消えて幻想的な見え方。そして、小さいけれど湯船の数が多い。温度ごとに計5種類。
中でも特徴的なのが体温と同じくらいの温度の「不感温泉」がとても不思議な感覚。小部屋になっていて照明も落としてあり、水温と体温が一体化して自分の身体の感覚が水に溶けだしていくような不思議な体験を味わうことができます。
半露天で外気浴が楽しめる浴槽も。ビル型銭湯ならではの風が吹き込み気持ち良い。これは戸越銀座温泉と一緒だね。

 

光明泉(中目黒)

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目黒駅から歩いて5分ほど。

以前勤めていた職場がおとなりの代官山だったため過去に訪れたことがあったが改めてランニングがてら訪問。

人気のエリアだけあって脱衣所、浴室ともに狭めではあるが、いつ来てもきれいで気持ちよく利用できる。お湯の温度高めで個人的には冷温浴が捗る銭湯。

土日になると整いたい方々がたくさん訪れてサウナ待ちの列ができてしまう(文化浴泉と一緒ですね)。週替りで露天風呂があるようなんだけど今まで一度も引けていない(タイミング悪し) 

 

第一金乗湯(上板橋)

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2020年10月訪問

  • 立地:住宅街にあるこじんまりとした構え立地。外見 建物も湯船も休憩場所も飲み物もレトロな和風。
  • 脱衣場:広々としている。リニューアルされて小ぎれいな部屋の中に古くから使われていた調度品(ロッカーや体重計、マッサージチェア、竹でできた椅子や台)などがうまいバランスで組み合わされている。
  • 浴室:古い銭湯をリニューアルしたとあって天井がとても高くて、窓から差し込む光もあり、開放的な空間で気持ちが良い。ペンキ絵も素敵。 アースカラーのタイルを、面に合わせて色や形を組み合わせ、表情を作っているのが面白い。洗面台も石の素材を生かした贅沢な造りだった。 ちょうど夕方の訪問だったので、間接照明を使った明暗も楽しめた。
  • 全体:世界観が一貫していて良き。立地的に地元の人ばかりでとても静かにリラックスして過ごせる。 大きくて設備が充実している銭湯は、その設備から生じる音や、訪れる多くの人が音を生んでしまうけど、それが無い銭湯は静かさを提供してくれることが発見だった。

 

ふくの湯(本駒込)

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2021年1月訪問。

場所は、駒込駅から徒歩5分。古い民家が立ち並ぶ通り沿いの2階。

ひょうたんを横にしたような看板(?)が印象的。

脱衣所は木を使った内装がロッカーやエアコンの目隠しに用いられていて、新大久保の万年湯と似た様子を見せる。

浴室は広くはない。湯船も5、6人ほどで満員になるようなスペース。訪れた日が日曜だったこともあってかカランに座れない人が待っているほど繁盛していた。土地柄かシニア層が多かった印象。

朝八時から開いているというのがいいね。地元の人に愛されている銭湯なんだろうな。 

 

文化浴泉(中目黒)

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2021年1月訪問。

脱衣場の天井の鳳凰が素晴らしい。

壁に掲げられたペンキ絵。リニューアル前の壁のデザインを活かしつつ、丸い木枠のパネルに書かれた富士山のペンキ絵。過去の建物を活かしつつ新しい価値を加えている。

お湯に浸かりながらぼんやり見ていたらイスタンブールのアヤソフィアを思い出した。見た目も意味合いも似ている。

 

千代の湯(学芸大学)

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2021年4月訪問。

東横線の人気駅、学芸大学駅からほど近い千代の湯。外観も屋内も直線がきっちりとしている端正な建物。

お風呂の中に入って湯船に腰を下ろすと薄いブルーのタイルが印象的。お風呂は暗めの照明でムーディな雰囲気ながら、このタイルの効果でさわやかなイメージ。

湯船の背面にはペンキ絵の堂々とした赤富士が。赤と黒で力強く書かれた富士山の山容は熱いお湯のパワーを現しているかのよう。
一番の特徴は炭酸泉の湯船だけが四方を壁で区切られた小さな小部屋になっていてるところ。シャワーやジェットバスの音がシャットダウンされ、ややぬるめのお湯と相まってとてもリラックスできる空間。

年配の方も、若い人も、外国の方もいてなかなか活気のある空間でした。

 

戸越銀座温泉(戸越銀座)

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2021年3月訪問。

日本有数の商店街にある戸越銀座温泉。

1階に受付、2階に脱衣所と内湯、3階に露天風呂というビル型銭湯。入り口も階段も脱衣もかなりゆとりのある空間でのんびりできます。

内湯はしっかり黒湯で、足元が全く見えないほど。タイルがぬるぬるして滑りやすいのもお湯の効能を物語っていますね。
湯船のひとつは寝湯になっていてバイブラの組み合わせが気持ち良い。

そしてなんといっても露天風呂がとにかく絶好のシチュエーション。ぽっかりと四角くあいた空間から綺麗な青空が見える。ちょうど春風の吹く良い天気で外気浴を楽しめました。

残念なのは、内装の劣化がとても目立ってしまっていて、特にペンキ絵が無惨な姿になってしまっている。通常、湯船の背中側に描かれることの多いペンキ絵を、リニューアル時に湯船に浸りながら眺められるようにと、湯船の正面に描いたらしいが完全に裏目に出てしまっている。

いつの日かフレッシュな姿を眺めながら湯に浸かれる日がくるといいね。

 

大平湯(五反野)

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2021年3月訪問。

場所は五反野駅がも最寄りですが、千代田線の綾瀬駅からバスで訪れました。
入り口にはコンセプトである夢銭湯の「夢」の一文字が大きく書かれた暖簾が目立っています。

お店に入ると館内に流れる演歌でお出迎え。レトロなマッサージチェアと、普段は飲食を提供しているのかな?カウンターもありました。

脱衣場は広めで古い作りそのままといった様子。昔ながらの造りです。

お風呂は壁沿いにカラン、そして浴槽が特徴的で、立ち上がりがなく階段を降りるように湯船に入ることができます。男湯と女湯の壁には埋め込みのブルーの間接照明。シンボリックだけど、なんだか唐突な印象もある。
外気浴できる湯船がもう1つあり、深呼吸すると3月にしては冷たい空気が熱った身体に気持ちよく入ってきた。

今井健太郎さん設計の銭湯のなかでも、良くも悪くも普通の銭湯でここがデザイナーズ銭湯の出発点かと思うと趣深い体験でした。