お金で紐解くクリストファー・ノーラン監督作
TENETの公開が近くなってきたので、クリストファー・ノーラン監督作を売上げと制作費でひも解いてみた。
クリストファー・ノーラン監督作の売上げランキング
1位:ダークナイト ライジング (1,135億)
2位:ダークナイト (1,090億)
3位:インセプション (871億)
4位:インターステラー (724億)
5位:ダンケルク (554億)
6位:バットマン ビギンズ (399億)
7位:インソムニア (119億)
8位:プレステージ (115億)
9位:メメント (41億)
10位:フォロウィング (500万円)
売上で見ると、圧倒的に評価されているダークナイトよりダークナイトライジングのほうが高いのが意外な発見だった。新しい映画ほど物価の観点や、IMAXや3D対応の映画館が増えたことでチケット単価が上がっているので、そういう側面もありそう。
クリストファー・ノーラン監督作の制作費ランキング
1位:ダークナイト ライジング (263億円)
2位:ダークナイト (194億円)
3位:インターステラー (165億)
4位:インセプション (160億)
5位:バットマン ビギンズ (158億)
6位:ダンケルク (100億)
7位:インソムニア (48億)
8位:プレステージ (42億)
9位:メメント (9億)
10位:フォロウィング (63万円)
一方で制作費は売上げほどの大差はないが、上位6作品は100億円以上と特大バジェット。バットマン3部作は制作費の中にキャラクターの権利関連費用も含まれているはずなので、他よりも高めなのかなと。特にライジングはダークナイトより出演者のギャラも高そうだし(アン・ハサウェイとかトム・ハーディとか)。
制作費の中でも撮影に関わる費用に関してノーラン監督は、TENETの中で実際のジャンボ機を爆破するシーンを指して「ミニチュアを作ったりCGを使ったりするより、(中略)撮影する方が効率的」とも言っている。自分の作りたい作品をコスト効率よく仕上げていく術が確立されつつあるのかもしれない。
クリストファー・ノーラン監督作のデータ(公開年順)
公開年順に並び替えて、費用対売上(売上÷制作費×100)を加えたものがこちら。
ビギンズ(Batman Begins 2005)の後でもプレステージ(2006)の予算は1/3。いかに自分の作品で制作費を獲得するのが難しいか。
一方、ダークナイト(2008)後のインセプション(2010)の制作費は、ダークナイトには及ばないものの160億円を獲得。売上げも871億円でしっかりとオリジナル作品で結果を出した。
コロナの状況下で公開されるTENETがここにどのような数値で並ぶのかが楽しみ。
データはIMDbより参照。金額は1ドル105円換算。千万位を四捨五入。2020年8月時点。