ダンケルク
ダンケルク公開初日に行ってきた。
物語は突然はじまり、登場する人物が誰なのか、どんな状況なのか。説明は全く無い。物語が進んでも会話らしい会話はほぼ無し。あるのは画面に映る人物の表情や、状態が変化してくだけ。無駄を削ぎ落とし、変化だけを克明に観客に見せつけることで大きなインパクトを残しているのが非常に印象的でした。
画面に映るものに無駄な装飾は一切なし。音楽もインセプションやインターステラーのように深く重い低音と、焦りと緊張を生む時計の音だけ。だからこそ、この映画で際立っているのが、完璧に計算され極限まで無駄を排除した映像美や、鋭く重く響く一発の銃声の音。小さな変化を見逃すことがないように意識付けられた観客は、常に集中を強いられ、半ば強制的にこの映画の中に没入していくことになるのだと思う。
緊張からずっと奥歯を噛み、体を強張らせ掌を握り、腕を組んで肩を張って過ごした時間を振り返ると、「究極の映画体験」のコピーに納得の一本でした。
ゼロ・ダーク・サーティ
ゼロ・ダーク・サーティ スペシャル・プライス [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2014/06/03
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (11件) を見る
本作は2011年5月2日に実行された、ウサーマ・ビン・ラーディンの殺害にいたる経緯を描いた、実話を元に作られたフィクション映画である。
監督は、2008年公開の『ハート・ロッカー』で史上初の女性によるアカデミー監督賞を受賞したキャスリン・ビグローが行った。主役のCIA女性エージェントはジェシカ・チャステインが演じ、第85回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、第70回ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞した。
-wikipedia
手がかりを追いビン・ラディンへの情報をたどるシークエンスと、SEALsが最新鋭のステルスヘリで強襲するシーン、静と動どちらのシーンも緊張感の絵作り、物語運びで作品にのめり込むことができる。
一方、ストーリーは細切れ。小さな章ごとに物語を紡いでいくスタイルで、登場人物の描き方がややとっ散らかった印象。
総じてとても良くできた映画。見る人のポジションによって、テロとの戦いに買ったアメリカ賛美の映画と捉えるか、屈辱にまみれ自分の目的すら見つけられなかった自虐と捉えるか判断がわかれるのではないかと思う。
スパイダーマン ホームカミング
行ってきましたスパイダーマンホームカミング公開初日。
ピーター・パーカーが、と言うかソニーと言うスタジオ的にと言うべきか、絶妙なポジションからアベンジャーズメンバーをいじり倒す芸風がとても最高でした。特にキャプテンアメリカの扱いがひどくてキャップファンとしては非常にうれしい誤算だった。
ストーリーの主題としては、「大いなる自由には責任が伴う」というアベンジャーズシリーズ共通のテーマを、アイアンマンが噛み締めながらスパイダーマンに諭し、成長を促すという構図。ニューヨークの親愛なる隣人であるスパイダーマンの成長を、アベンジャーズの中の新人という最高のスパイスで見せてくれる。
構図として面白いのが、完全無欠のヒーローであるアイアンマンが、すぐに助けてくれるという状況があり、観客もマーベルファンとして、その登場を楽しみにしてしまっている。しかし、その期待をはねのけて活躍してくれるスパイダーマン。ヴァルチャーとの戦いの後、ビルの屋上に佇むスパイダーマンの横顔でこれでいいのだ!と納得させるパワーがあった。
アベンジャーズという絶対的なパワーの象徴がニューヨークのスタークタワーとしてそびえ立ち、その足元にいるスパイダーマン。最初はどうにかして認められてアベンジャーズ入りを切望するスパイダーマンが、作品を通して成長し最終的には自分がニューヨーク守るポジションにつく。ニューヨークから北部に引っ越すアベンジャーズと、マンハッタンにとどまるスパイダーマン。見事なバトンパスだったとおもう。
そのほかにも、久しぶりのペッパー登場!や、蜘蛛スキルとアイアンマンスーツ的なテクノロジーの親和性の高さとか、郊外にめっぽう弱いスパイディーなどなどネタには事欠かない作品でした。
ドイツ〜チェコ鉄道旅
2017年の夏休みは、「どこへ行った」と言うよりは「どこを移動した」というような移動し続ける旅だった。9日間で計6都市。それぞれの都市の印象に残ったこと、良かったところを残しておきたいと思う。
- ミュンヘン:オペラのライブビューイング
- ローテンブルク:RPGの世界
- ニュルンベルク:新しい建物に過去の歴史を見る
- プラハ:東欧だから楽しめるヨーロッパ
- フランクフルト:ゲイパレード
- ハイデルベルク:想像が膨らむ往時の姿
ミュンヘン:オペラのライブビューイング
今回の旅でミュンヘンは特典航空券の関係で経由するだけだったため、観光はマリエン広場周辺をちょっと歩いただけ。その際に随分と大きな音が響いてくるなと思って歩を進めてみて出会ったのが、国立劇場前の広場で行われてたライブビューイングだった。おそらく国立劇場の中で行われているであろう演目を大胆にもその会場の外で見れてしまうという。スクリーンはやや小さかったが音響はバッチリで3ブロック先までテノールの声が轟いていた。
下の写真では明るく写っているがこれでも時刻は20時過ぎ。日の長い夏の夜をお酒片手にカジュアルにオペラを見て過ごすスタイルはなんだかとってもかっこよかった。日本も歌舞伎や寄席をこんなスタイルで演ったらとても粋だろうね。
場所はミュンヘン中央駅からマリエン広場へ向かい、そこから更に北に数分行ったところ。National Theater Bayerisches Nationaltheater
続きを読むデジカメ vs iPhoneのカメラ
旅行中にいつも悩むデジカメ vs iPhoneのカメラ問題。今回も右のポケットにキャノンのコンデジ、左のポケットにiPhoneが入っていてどうにかならないものかと悶々としている。旅行中にあれこれ考えながらメリットとデメリットを整理してみた。
iPhoneのカメラの良い所
- iPhoneだけ持ち歩けば良い:軽い、小さい、充電器1つで済む
- そのまま友達、SNS、web上にシェアできる
- 写真が地図にマッピングされる
- 大きな液晶で写真を確認できる
- 海外で時計合わせをする必要がない
デジカメの良い所
- ズームできる
- 画質良い
- 写真を撮るという行為をより楽しめる
- iPhoneの充電を気にしなくて良い
ということでどれくらい写真に命かけるか、ということに尽きるんだなぁと改めて認識。自ずと答えは見えていて、そのうちiPhone単体で済ませることになりそうだが、そうすると上の写真のように夜景でズームみたいなシチュエーションは諦めることになるんだなぁ。iPhoneにアタッチメントのカメラレンズをつければいいかとも思ったが、それはそれでかなり面倒だろう。
この悩み、SIMフリーのiPhoneを海外旅行で使うようになり、加えてiPhoneのカメラの性能が上がってきてから毎回のように旅行中に考えるようになっていた。今後そんなに気合の入った旅行に行くことが多くはなさそうなので、今回の旅行がカメラ持ち歩く最後の旅になりそうだなという気もしている。(マチュピチュ行くとかなったらまた話は変わりそうだけど。)