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LIFE!/ライフ

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『LIFE!』(ライフ、原題: The Secret Life of Walter Mitty)は、2013年のアメリカ合衆国の叙事詩的コメディドラマファンタジー映画。監督と主演はベン・スティラーが務めた。

この映画は1939年に発表されたジェームズ・サーバーの短編小説「ウォルター・ミティの秘密の生活」(The Secret Life of Walter Mitty)を原作とするダニー・ケイ主演映画『虹を掴む男』(1947年公開)のリメイク作品である。(Wikipedia)

実在する雑誌「LIFE」の休刊というリアリティのある話と、空想癖のある主人公ウォルターの脳内で繰り広げられるフィクションが絶妙に混ざり合っていく。
物語の始まりから途中まではあからさまに妄想と分かるシーンが多く、それがウォルターを演じるベン・スティラーお得意のコメディタッチで描かれているため笑いとともに消化されていく。でも、途中からその境がわからなくなってしまう。
これによく似た作品が「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」。最後のどんでん返しで、どこまでが語り手の物語なのかという線引きにゾクッとさせられたが、この「LIFE!」は主人公ウォルターの空想がいつのまにか突飛な行動の現実と一致をみることになる。
このさじ加減が本当に絶妙で、ウォルターの空想を冷めた目で見ていたのがいつの間にか興味とともにのめり込んでしまう。

個人的なベストシーンは、アイスランドにて物々交換したスケボーに乗った時、音楽とともに物語のギアが変わる感じ。最高にアガる一番の見せ場。ヘリに乗るときは迷っていたけれど今度は違う。みずから決めたゴールに向かって突っ走る主人公の心情の変化が言葉より、表情よりもずっと如実に現れていたと思う。

共演者について。
ウォルターの人生にすこしずつだけ関与する共演者が少ない登場時間ながらも強烈なインパクトを残す。
LIFEの休刊そしてデジタル化を推し進めるために送り込まれたひげの経営者「アダム・スコット」。本当に嫌なヤツ。
電話で数回はなしただけなのにどうしても誰かを頼らなければならない状況で救いの手になってくれた「パットン・オズワルド」。
そしてなんといってもショーン・ペン。なにも喋らない目で語る演技が印象的。ずいぶん前に見たミスティックリバーの彼を思い出した。

ひとつだけ不満だったのが、最後の一枚の写真が序盤でなんとなく想像がついてしまったところ。もう一捻りあったら良かったかも。でも映画全体のできからすれば些細なこと。いろんな角度から見てとても良い出来栄えの一本でした。

LIFE!/ライフ オリジナル版 (字幕版)