『ボーダーライン』(原題: Sicario)は、2015年にアメリカ合衆国で公開された犯罪映画である。監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ、主演はエミリー・ブラントが務める。原題のSicarioとはスペイン語で『殺し屋』の意。
前半の山場、護送シーン。麻薬カルテルの大物をメキシコの街中を通って護送する。これがブラックホークダウン並みの緊張感。
地元警察のパトカーが付き添いながら、黒のデカイSUVの車列が進む。国境で渋滞に捕まった際に仲間を取り戻そうと、襲ってくる現地人を威嚇し少しでも怪しい行動をとった瞬間に即射殺。
言葉のやり取り、一瞬の間も置かない即断即動のアクションシーン。人物の動きもいいしそれを追うカメラもいい。見ているこちらの体がいつの間にかこわばるほどの緊張感。
ラスト20分、ベニチオ・デル・トロが暗殺者となり因縁深い組織のボスを追う独壇場。
大きな邸宅にスネークのように侵入していくが、画面が非常に美しい。
真っ暗な庭に張り出した大きなテーブルで食事をとる家族4人。食卓の周辺だけはたくさんの電球でゴージャスに明るくなっている。
そこ特殊部隊の真っ黒な出で立ちでそっと立つデル・トロ。
死体発見から突然始まるこの物語において不釣り合いなほどきれいな画面で終わりに向かう。
キャスリン・ビグロー監督のゼロ・ダーク・サーティにとても良く似ていて自分好みの一本だった。続編も準備中らしい。